【公式】株式会社太田屋

1-お香典について

 香典とは故人に手向ける香のことですが、現在では現金を包むのが一般的となっています。その際、新札を入れることは「この日のために用意しておいた」ととられるとの考えからタブーとされています。 やむを得ず、新札を使用する場合は、折り目を入れるようにしましょう。
 通夜か葬儀・告別式に参列する場合は、受付でさし出すか焼香の際に霊前に供えます。どちらにも参列できないときは郵送するか、後日弔問するときに持参しましょう。 郵送の場合は現金書留を利用しますが、まず現金を香典袋に入れてから現金書留の封筒に入れます。その際には、出席できない理由と故人を偲ぶ手紙を添えると心がこもるでしょう。
 本来であれば香典は、半紙や奉書紙で中包みと上包みをつくり、白一色の水引を結びにかけます。しかし、最近では市販の香典袋を使うことが多いようです。 表書きは筆を使って薄墨で書くのが原則ですが、筆ペンを使用してもかまいません。表書きは宗派に関係なく使えるのが「御霊前」です。

香典の表書き

お香典
お香典

 一般的に亡くなった日から四十九日までは「御霊前」。四十九日以降は「御仏前」を使います。
金額が多い時には水引を、少ない時には表書きや水引が印刷されているものを使うのが一般的です。
 自分の名前は外袋の下の中央に薄い色の墨で、 名前は必ずフルネームで書き、肩書きは右肩に小さく記します。連名で提出する場合には表にあまり多くの名を書くと失礼なので、3名くらいまでに留めます。4名以上の場合は代表者の名前を中央に大きく書き、その左側にやや小さく「外一同」と書きます。また、別紙に全員の「住所」「氏名」「金額」を記載し同封します。香典のお返しを辞退するときは、最期に「香典のお返し等はご無用に願います。」と記しておきます。

 【宗旨による表書きの違い】  
  通夜・葬儀(四十九日まで) 法事・法要(四十九日以降)
仏式 御霊前、御香料、御香典、御香料
御仏前(浄土真宗のみ)
御仏前、御供物料
神式 御玉串料、御榊料、御霊前、御神前 御玉串料、御榊料、御神饌料
キリスト教式 御花料、御霊前(カトリックのみ) 御花料
無宗教式 御霊前 御仏前
お寺・神社へのお礼 仏教…御布施、読経料
神教…御祈祷料、御榊料、御神饌料
キリスト教…御ミサ料、御ミサ御礼
仏教…御布施、読経料
神教…御祈祷料、御榊料、御神饌料
キリスト教…御ミサ料、御ミサ御礼

水引の色

お香典

 葬儀や法事に使う水引は、黒白の水引、双銀の水引、黄白の水引の3種類が使われます。
まず、一般的には黒白の水引のものを使います。ただし、一周忌までなら黒白の水引きを使いますが、三回忌以降には黒白の水引きを使わずに、黄白の水引を使う地域もあります。注意しなくてはならないのは、黄白の水引は、法要の際にしか用いることができないので、 通夜や葬儀で用いるのはマナー違反です。
 次に、双銀といって結びの左右が全て銀色の水引きもあります。これも仏事全般に使えますが、黒白の水引きのものに比べると少々割高ですので、中に入れる金額が5万円以上のときなどに使う場合が多いようです。

仏式の場合
水引の結び方は結んだらほどけない結びきり。(不幸が二度とあって欲しくない)
表に蓮の花の模様がある場合は仏式専用。
水引の色は、黒白・双銀。
表書きは「御霊前」「御香奠」「御仏前」 ※浄土真宗は「御仏前」。

神式の場合
白無地、水引は結びきり。
水引の色は、双銀・双白 等。
表書きは「御玉串料」「御榊料」「御神前」。  

キリスト教式の場合
十字架と百合の花の模様か、水引なしの白封筒。
表書きは「お(御)花料」等。 ※宗派により別の表書きも有り。

香典の出し方

お香典

 香典には、遺族が後で整理しやすいように住所・氏名を見やすくしっかりと書きます。また、金額も記すようにしましょう。
 お札は表(肖像画がある方)を中袋の下(名前・住所を記載した方)に向けるように入れます。二枚以上のお札を入れる時は、お金の向きを揃えて入れるようにしましょう。
 中袋にお金を入れたら、外包みで包みます。外包みを開き、外包みの中央に中袋の表側が下になるように置きます。外包みの左、右、下、上の順で包みます。水引きの中に入れれば完成です。 ここで重要なことは上側を下側に被せるところです。結婚式など慶事では幸せを受け止められるように下側を上側に被せますが、弔事では逆で不幸が過ぎ去ってくれるようにという意味が込められています。
 香典を霊前に供えるときは、表書きが自分から読める方向にします。 そして、通夜などで受付で渡すときは、相手から読める方向にしてさし出します。
 尚、金額のを書く際、「金壱萬圓也」のように「也」をつけるか迷いますが、つけてもつけなくてもマナー違反にはならないと考えられます。「也」を付けつる由来としては”金額の書き足し防止”の意味合いがありましたが、時代とともに必要性がなくなり「也」をつけないことがマナーとして一般化してきたようです。

1,000円 金壱仟圓 金千円
3,000円 金参仟圓 金三千円
5,000円 金伍仟圓 金五千円
10,000円 金壱萬圓 金一万円
30,000円 金参萬圓 金三万円
50,000円 金伍萬圓 金五万円
100,000円 金拾萬圓 金十万円

☆香典の金額☆  <一般的な目安としてご覧ください>
・友人、知人(※その家族も)…5,000円
・隣近所…3,000円~5,000円
・会社関係(上司・同僚・部下※その家族も)、取引先関係…5,000円~1万円
・祖父母…1万円~3万円
・両親…5万~10万円
・兄弟・姉妹…3万円~5万円
・おじ、おば、その他の親族…1万円

ふくさの包み方

お香典-ふくさ

 香典袋はバッグやポケットに入れておくと中で折れたりしわになったりすることがあります。それを防ぐために、慶弔にかかわらずふくさに包むのが作法です。
 色は慶弔で異なりますが、最近では慶事用と弔事用を一枚で兼用できるふくさが市販されています。

2-ご法事について

ご法事 お斎

 一般に『法事』と言っていますが、 厳密に言いますと『法要』とはお寺のご住職にお経を上げて頂くことを言い、 法要とその後の食事も含めた行事を『法事』と言います。 法要は、故人があの世でよい報いを受けてもらうために、この世に残された者が善行(お寺様を招いて読経)をし、その功徳で故人を供養する追善供養の事で、 一般に『法事』と言われています。 故人を偲び冥福を祈り、供養する為に営む事です。 仏教では法要を行う日が決まっています 死後七日ごとに四十九日まで行う忌日法要と、一周忌、三回忌、七回忌、十三回忌などの年忌法要です。
 四十九日は、初七日から七日ごとに受けた裁きにより、来世の行き先が決まるもっ  とも重要な日とされ、「満中陰(まんちゅういん)」と呼ばれます。 故人の成仏を願い、極楽浄土に行けるように、家族や親族のほか、故人と縁の深かった方々を招いて法要を営みます。
 この日をもって、忌明けとなるので、法要後、忌明けの会食を開きます。 忌明けの法要は、命日から49日目の忌日の当日に行いますが、さまざまな都合もあり、最近では週末に営む事が多いようです。 法要の日をずらす場合は、遅れてはいけないとされています、忌日より早めに行うようにします。 日時が決まったらお寺様に法要のお願いをし、親戚や故人と縁の深かった人などに案内状を送ります。

四十九日・忌明け法要

 四十九日は、初七日から七日ごとに受けた裁きにより、来世の行き先が決まるもっとも重要な日とされ、「満中陰(まんちゅういん)」と呼ばれます。故人の成仏を願い、極楽浄土に行けるように、家族や親族のほか、故人と縁の深かった方々を招いて法要を営みます。
 この日をもって、忌明けとなるので、法要後、忌明けの会食を開きます。 忌明けの法要は、命日から49日目の忌日の当日に行いますが、さまざまな都合もあり、最近では週末に営む事が多いようです。 法要の日をずらす場合は、遅れてはいけないとされています、忌日より早めに行うようにします。 日時が決まったらお寺様に法要のお願いをし、親戚や故人と縁の深かった人などに案内状を送ります。

命日供養

 毎月、故人の亡くなった日を命日と呼び、亡くなったその月の命日を祥月命日といいます。命日・祥月命日にはお仏壇に花や果物をお供えしロウーク・線香を焚いて、家族揃ってお参りしたいものです。

年忌法要

 亡くなった翌年の祥月命日を一周忌といい法要を行います。 その後は三回忌、七回忌、十三回忌・・・に法要を行います。
 年忌法要は命日に行うものですが、最近では皆さんが出席しやすいように土・日曜日に行うこともありますが、その場合は命日より前に行ないます。 また同じ年に年忌法要が重なる場合、一度に行なってしまう場合もあります。

2023年(令和5年)年忌早見表

一周忌 令和 4年(2022年)逝去
三回忌 令和 3年(2021年)逝去
七回忌 平成29年(2017年)逝去
十三回忌 平成23年(2011年)逝去
十七回忌 平成19年(2007年)逝去
二十三回忌 平成13年(2001年)逝去
二十七回忌 平成 9年(1997年)逝去
三十三回忌 平成 3年(1991年)逝去
五十回忌 昭和49年(1974年)逝去

弔い上げ(とむらいあげ)

 一般的には三十三回忌で年忌法要を終え、永代供養とすることが多いようです。最後の法要を「弔い上げ(とむらいあげ)」といいます。 また、年忌法要を打ち切るということで「年忌止め」ともいいます。 五十回忌で年忌止めとする場合もあります。 弔い上げは御祝いの意味もあり料理は精進料理を使わず、肉や魚も食されます。また、引き出物は赤の水引を使います。

法要の日程の決め方

 法事は命日の当日に行うのが理想ですが、実際には参列者の都合もあり、最近は週末に行うことが多いです。必ず命日より早めの日に行うのが慣わしです。

法事の引出物について

熨斗紙

 法事に参列してくださった方へ、お礼の気持ちを込めて手渡すのが法事の引き出物です。昔は様々なしきたりがあった法事の引き出物も、最近では比較的自由にその内容が決められるようになっています。 特に消耗品でお受取りになる方の好き嫌いが比較的少ない品、お茶や海苔、または洗剤などが人気があります。最近ではカタログからお好みの品物をお選びいただく「カタログギフト」なども人気があるようです。
法事の引き出物の金額は特にいくらと決まっているわけではありませんが、一般的には3000円~5000円といった相場といわれています。
 法事の引き出物ののしは、黒白または双銀の結びきりの水引に表書きは「志」「粗供養」などとし、下段には施主名や「○○家」という喪家の姓を記します。四十九日法事の引き出物には黒白結びきりの水引に「志」などと書きます(地域によって異なります)。
三回忌以降は青白、黄白の結び切りとします。
 お経をあげていただいた住職へのお布施の表書きは「御布施」とし、「御経料」や「御礼」とは書きません。半紙に包むか、白封筒に入れ水引は掛けません。また、相手に不幸があったわけではないですので、不祝儀袋(ぶしゅうぎふくろ)は使用しません。
 法事の引き出物は、通常会食の最後に渡すことになります。手渡しをする場合は、僧侶から順に渡していきますが、最近では料亭やホテルなどに場所を移して会食が行われることも多く、あらかじめ席にセットしておく場合もあります。 法事に参列して頂かなかった方でも、お供えなどを頂いた場合は後日、法事が無事執り行われたご挨拶もかねて、引き出物を持参もしくは郵送するようにします。

引き菓子について

 引き菓子は列席者へ引き出物と一緒に持ち帰っていただくお菓子のことです。お膳のお裾分けの意味があり、列席者が帰宅後、家族と分かち合うためのお土産的な意味合いがあり、引き出物と一緒にお付けするのをおすすめします。 引き出物と引き菓子を合わせて3~5品用意する地域もあるようです。

3-お盆・新盆について

盆棚

 お盆は正式には『盂蘭盆会(うらぼんえ)』と言います。インドのサンスクリット語の「ウラバンナ」を漢字で音写したもので、略して「お盆」と言います。 お盆の行事は『盂蘭盆経』に説かれている、目連尊者の話に由来します。 目連尊者はお釈迦様の弟子の中でも神通力が一番でした。
 ある日目連尊者はこの神通力を使って、母親の死後の世界を覗いてみました、すると母親は餓鬼道に堕ちて飢えと渇きに苦しんでいました。 そこで、目連尊者はお釈迦様にどうしたら母親を救えるか尋ねてみました。するとお釈迦様は『お前の母親は生きているとき、物惜しみをして他人に施しをしなかった、代わりにお前が布施行をしなさい』と言われました。
 目連尊者はお釈迦様の教えに従って、僧侶たちの夏の修行期間があける7月15日に僧侶や貧しい人々に飲食物を施したのです。するとその功徳によって母親は極楽往生がとげられました。
 日蓮尊者は喜び、お釈迦様に『もし後の世の人々がこのような行事をすれば、たとえ地獄にあろうとも救われようか?』と尋ねました。するとお釈迦様も嬉しそうに『もし考順心を持ってこの行事を行うなら必ずや善き事がおこるであろう』と言われました。 それ以来7月15日(旧暦)はご先祖様に報恩感謝をささげ、供養をつむ重要な日となりました。

お盆の期間

お盆

 お盆の期間は、関東などでは7月、長野県や東北や関西などでは8月と、地域によって異なります。「13日に迎え火」を焚いてご先祖様をお迎えして、「16日に送り火」を焚いてお見送りします。
 13日の夕方、家の門口や玄関、お墓で、素焼きの焙烙(ほうろく)にオガラを折って積み重ね、火をつけて燃やし、迎え火として先祖の霊を迎えます。16日の夕方には再び同じ場所で、焙烙にオガラを折って積み重ね、火をつけて燃やし、送り火として先祖の霊を送り出します。

盆棚(精霊棚)

 お盆には、ご先祖様の霊をもてなすために、盆棚をしつらえることが一般的です。
 盆棚は「精霊棚(しょうりょうだな)」ともいい、座敷や縁側に打敷やマコモを敷き、果物、野菜、花、団子などを供えます。

精霊膳

 お盆の間はご先祖さまのために、食事を用意します。「霊具膳(りょうぐぜん)」、供養膳、仏膳椀などと呼ばれ、お仏壇にお供えする御膳のことを意味します。小さな食器セットに、盛り付ける料理は、白飯と一汁三菜が基本です。肉や魚、匂いの強いものを使わない精進料理を盛り付けたお供えです。
①親椀・・・ご飯 ②汁椀・・・味噌汁、お吸い物 ③高皿・・・漬物、香のもの ④平椀・・・煮物 ⑤壺椀・・・煮物、和え物、酢の物
※お供えをする時は、お箸を奥にして(仏壇側に向けて)お椀の蓋を取り、ご先祖さまが召し上がりやすくするのがマナーです。※イラストは、一般的な並べ方で、地域・宗派によって異なります。

お盆

 また特に、ご用意したいのが、「精霊馬(しょうりょううま)」です。ご先祖様が無事にあちらとこちらの世界を往復するための乗り物で、きゅうりやなすに割り箸を差して4本脚をつくり、馬と牛に見立てています。 きゅうりは足の速い馬で、ご先祖様があちらの世界から少しでも早く家へ帰ってこられるように、なすは歩みが遅い牛で、家からあちらの世界までのんびりと帰れるように、また重い供物を楽に持ち帰ってもらうためにとの願いが込められています。
 お盆はご先祖様を迎えて供養する大切なひとときです。正式なものでなくても、簡単な盆棚をつくってもてなしましょう。
 ※盆棚は宗教、宗派、地域により作り方が異なり、浄土真宗は盆棚をつくりません。


新盆の迎え方

盆提灯

 四十九日の忌明けの後、初めて迎えるお盆のことを「新盆」、「初盆」といいます。
 新盆のご供養は、特に丁寧に行います。このときは、親族や故人と親しかった友人など をお招きし、お寺様に読経してもらい仏様のご供養の意味で参会者全員で食事をします。 故人の忌明けより前にお盆を迎えた時は、その年でなく翌年が新盆となります。なお、お盆 の時期はお寺様のもっとも忙しい時ですから、読経の依頼は、早めにお願いしておきましょ う。
 新盆には、普通の絵柄の入った盆提灯の他に、初めて帰ってくる仏様が道に迷われない様にお迎え提灯を飾ります。このお迎え提灯を飾るのは新盆の時だけで、お盆が終わったら燃やして処分します。
 昔は、新盆用のお迎え提灯は故人のご家族が購入し、普通の絵柄の入った盆提灯は、兄弟、親戚などから贈られていました。 しかし最近では、盆提灯を飾るスペースなどの住宅事情を考えて、兄弟、親戚などから盆提灯用にと現金で頂戴して、故人のご家族が全て用意する場合も多くなっています。もちろん普通の盆提灯が親戚などから贈られない場合は、自分で用意する必要があります。

盆踊りの由来

盆踊り

 お盆の終わりの時期、町内会や自治会などが中心となって組んだ櫓の周りを、ぐるぐると何時間も踊り続けたことはないでしょうか? 誰もが一度は経験がある「盆踊り」です。しかし、どうして盆踊りを踊るのか、その理由を知りながら踊っていた方というのは少ないのではないかと思います。
 盆踊りには、お盆の時期に戻ってきた先祖の霊を慰める、という意味があります。 元は、念仏を唱えながら踊る(もしくは、念仏を唱える人と踊る人が分かれて行う)念仏踊りと盂蘭盆会が結びつき、先祖や死者を供養するための踊りとして定着していきました。 また盆踊りは、8月15日の晩から踊り始め16日が明けるまで踊り続けます。16日が盆明けということから、賑やかに踊り歌って先祖を送り出すという意味もあったようです。
 盆踊りは日本各地で独自の進化を遂げ、発展していきます。あの有名な徳島県の阿波踊りも、実は盆踊りなのです。「阿波踊り」、「秋田県の西馬音内盆踊り」、「岐阜県の群上八幡盆踊り」の3つを合わせて日本三大盆踊りと呼ばれています。

灯篭流し

トーロー流し

 盆の祀りの期間が終わると送り火をたいて先祖の霊を送ります。
有名な京都の「大文字焼き」はこの送り火が大々的になったものです。正確には「五山の送り火」と呼び、5つの山で「大」のほかに「鳥居」「妙法」「船」の形などで送り火が行われます。
 灯篭流しは、死者の魂を弔うために灯篭やお盆のお供え物を川に流す行事です。 日本全国で行われており、「送り火」の一種だと考えられています。 灯篭流しは昔から行われてきたものですが、近年では川や海の汚染問題に配慮し、禁止する自治体も増えてきています。また、川の上流で流した灯篭を下流で回収するなど、灯篭流しを行う地域によって工夫がされています。

4-お彼岸について

 暑さ寒さも彼岸まで・・・というように、お彼岸は四季を持つ日本にとって、穏やかで、過ごしやすい季節の訪れを感じさせてくれます。
 お彼岸の期間は、春分と秋分の日を中日としてその前後3日間を合わせた1週間で、初日を「お彼岸の入り」、終日を「お彼岸あけ」といいます。
 春分と秋分の日には、太陽が真東から出て、真西に沈みます。昼と夜の長さも同じになる中道の時であり、そのため中道を尊ぶ仏教がこの期間に、仏教修行の六波羅蜜を実行しなさいと定めた、いわば仏教強化週間でもあります。
「彼岸」は、サンスクリット語の「パーラーミータ(波羅蜜多)」に由来します。パーラーとは「向こう岸」を、ミーターは、「渡る」を意味しま す。つまり「彼岸」は悟りの世界をいいます。これに対して、私達の住む迷いの世界を「此岸(しがん)」といいます。
 仏教には、西方浄土といって西に極楽があると考えられています。春分と秋分の時期に、ご先祖様のご供養をするということは、心の持ちようで私達も彼岸に行くことが最も可能な時ということになるでしょう。深くご供養を心がければ、彼岸にいったことと同じことがいえるのです。
 お彼岸は日本独自の習慣で、彼岸の入り前からお仏壇をきれいに掃除し、お供えをし、ご先祖様をご供養します。

六波羅蜜

「六波羅蜜」には、すべてのものに感謝する報恩感謝の精神がその裏付けになっています。
お彼岸に自分がお世話になった親やご先祖のお墓参りをするのもこの精神からです。
一、布施 (施しをすること)
二、持戒 (規律を守ること)
三、忠辱 (よく正しい心をもつこと)
四、精進 (目的に向かってたゆまず努力すること)
五、禅定 (常に平静な心をもちつづけること)
六、智恵 (智恵を磨き、智恵を働かせること) です。
これを実行し、悟りの岸である彼岸に渡れるよう反省を心に誓い、同時に先祖の冥福を祈りましょう。

彼岸の供養

お彼岸

 お彼岸は春・秋の二回あり、春の彼岸は3月20日(春分の日)・秋のお彼岸は9月23日(秋分の日)を中日として前後3日間を合わせて、合計7日間行われます。また初日を「彼岸の入り」最終日を「彼岸の明け」と言います。 春分の日・秋分の日 は昼夜の長さが等しく、太陽が真東から昇り、真西に沈みます。その彼方にある浄土を思い、そこにいるご先祖様を偲び感謝し、自らも彼岸に到達できるよう精進する日です。
 一般的には、お仏壇を美しく整え、花や水をそえ、季節の初物や、故人の好物をお供えし、毎日お仏壇に線香や灯明をあげてお参りします。そして中日には家族そろってお墓参りをし、本尊と先祖の供養をするのが、お彼岸の美習とされています。

「ぼた餅」と「おはぎ」

ぼた餅とおはぎ

 お彼岸のお供えに欠かせない「ぼたもち」と「おはぎ」。 両方とも、蒸した餅米とアンコの同じ素材で作られる食べ物で、もともとは同じものだったようです。どうして呼び名が違うのか、それは季節の花になぞらえているからです。 つまり、牡丹の季節(春彼岸)にお供えするのが「ぼたもち」で、萩の季節(秋彼岸)にお供えするのを「おはぎ」と言います。
 それでは「ぼたもち」や「おはぎ」のあんこには、なぜ小豆をつかうの?
あずきの赤色には古くから悪いものを追いはらう効果があるとされてきました。
●春は、種をまき、食物の成長を願う季節
●秋は、食物の収穫の季節
 この時期にあずきを使った食べ物を食べたり、ご先祖さまに感謝することは、 自然への感謝や祈りとも深くむすびついているのです。 昔の人々は、自然を暮らしの中に上手にとりいれていました。 季節の花を意識して食べ物の呼びかたやかたちを変え、ご先祖さまの供養を行う、こうした風習は、ずっと変わらずに残していきたいものです。

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